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東日本大震災に関する支援活動記(12)−2


3年目を迎える"被災地"へ ( 竹中裕季子 )
2013.10.28-29


(1日目からのつづき)

2日目:平成25年10月29日(火)

■かたくり舎織姫の会へ

宮城県入り2日目。
今回は、来る前に、 地域で活動をしておられるボランティアグループの方に
色々とアポをとりました。

ほとんどが毎日活動している訳ではありません。
私たちのスケジュールで、 時間が合った方にお会いするという事にしました。
お電話やメール、今ではfacebookなどでも連絡がとれます。


お会いできたのは、亘理郡山元町で活動をしておられる
「かたくり舎 織姫の会」の代表 志小田さん。(写真中央)



ご主人とご一緒にこられた70代の志小田さん。
震災当初から今までのお話を約2時間。
色々とお話いただきました。


お話を伺いながら、
「なんてパワフルな女性なんだろう」と思うと同時に
「頑張りすぎないで・・・」という思いにかられました。

山元町は、私たちも以前訪れたことがあります。
人口は6千人程減少したそうです。

中でも中浜区は、仙台側と福島側から水がきて、
一番ひどい被害を受けた地区だそうです。

少し高台にあった志小田さんのお宅は無事だったそうですが、
続く余震で崩れた所もあったそうです。

自宅が無事でプロパンガスがあったので、
震災の2日目には米を炊き、
避難所におにぎりを30〜40個持って行ったそうです。

さらに一週間後には、 避難所で「掃除がしたい」という声を聞き、
「くるくるローラー」を持って行ったそうです。

それは、私たちも思いつかなかった事です。
なるほどと思いました。それはとても喜ばれたそうです。

震災前から野菜をもらったりお付き合いがあった方々に、
こういう時こそ恩返しと、できる限りで 食材などを持って支援されたそうです。
ご自身も被災者なのに。



そして震災から100日目には、270人分のお餅つきも行われました。
暑くなってきた頃だったので、衛生面などの問題や、
高齢者がお餅を喉につめないか・・・など様々な声があがり、
開催までに二転三転したそうですが、 県から衛生面の指導も受け、
当日は栄養士さんにも来ていただいて、
約100名が集まるお餅つきがおこなわれたそうです。

食材の提供はもちろんですが、
震災前は百姓をしていた方々が多い地域。
避難所や仮設住宅で体を動かす機会の減った方々に、
元気に動いて欲しいという想いもあったそうです。


そして11月から、 元々ご自身の趣味でもあった「卓上手織りばた」を、
希望の方々へ教える事になったそうです。

人数が増えてできたグループが「かたくり舎織姫の会」です。
かたくりは、山元町にも群生する紫色のかたくりの花からとられた名前です。

はた織りには、機械や糸が必要です。
志小田さんは、電話やインターネットを介して、
全国各地からの様々な支援を頂き、 道具を揃え活動を続けられました。

支援してくれた多くの方の名前や会社名を全て覚えておられ
一生懸命、支援してくださった方への感謝の気持ちをお話されました。


活動を進める中で作品を販売する事に。
プロジェクト1−2でも中心に行ってきた、
“いきがい”を感じて活動を進めてこられたというお話を伺いました。

しかし2年たった頃から、
グループのメンバーは 仕事に就くなど日常に戻っていきました。

そして一緒に活動する仲間から、
「販売は疲れる」などの色々な声も上がってきたそうです。

初めは少しでもおこづかいになると頑張っていたメンバーも、
日常に戻ってくると変わってきたのです。

志小田さんは困惑し、今、この活動をどういう風に進めていけば良いのか
悩んでおられました。

それは、神戸でもあったことですと、私たちの経験もお話しました。
メンバーと気持ちを合わせて進めて行くことが大切ではないでしょうかと、
私たちはお伝えしました。


支援する者、される者で様々な想いをかかえています。

1日目にお話を伺ったところでも、
震災直後からリーダーをして活動を引っ張ってきた方が、
今疲れてきているという現状を聞きました。

でも最後に志小田さんが、「色々と話ができて嬉しかったです」と
笑顔で
言ってくださいました。

私たちがお話を伺う事で、
少しでも気持ちが楽に なってもらえたなら嬉しいなと思います。

その後facebookでお友達となり、
志小田さんの活動を遠く関西から読ませていただいています。


■今回の訪問を振り返って

まだまだ、復興が進まない被災地。
来年の3月で3年目を迎えます。

私たちに今出来る事、これからできる事
メンバーと一緒に考えていきたいと思います。

竹中裕季子

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