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語り劇「てくてくIII〜消えた“あしあと”を取り戻す日まで〜」
上演報告
2013年6月15日(於 善福寺)



梅雨に入っても全然雨が降らないと言われていた今年の6月。
そんな中むかえた6月15日は、これでもかという程の大雨にみまわれました。

大阪でメンバー全員が集合して向かったのは、
和歌山県海南市の「善福寺」。

昨年9月11日に、神戸国際会議場の「全国教誨師大会」
上演させて頂いた“語り劇 てくてく2”
を見てくださった善福寺の住職から、
「是非うちのお寺での上演を」とお声をかけて頂きました。

ちょうど上演当日の一週間程前から、
和歌山県地域では震度3程度の地震が頻発していました。
一番意識が高まっている時期。
そこで生活していらっしゃる方々に、私たちの言葉が届き、
そして少しでもお役にたてるきっかけを見つけてもらえれば嬉しい、
そう思い雨の中、車を走らせました。


大阪からは思っていたより早く、2時間程で到着。
「雨の中ご苦労様です」と笑顔で迎えてくださったご住職。

とても立派なお寺で、その境内の中で行わせて頂くと聞くと
背筋がピンと伸びる、そんな感じでした。
機材を降ろしセッテイング。

50人程のたくさんの檀家さんが見に来てくださるとのことで、
急遽スクリーンを出すことはやめて、
お寺の壁に据付してあったテレビを使わせて頂き、
それを使って映像は上映することになりました。


準備をしている間にも檀家さんが何人か来られ、

「楽しみにしています」

と、優しいお声で言葉をかけてくださいました。


上演は20時からです。
私たちの上演の前に法要が開かれるので、
立ち位置や音響のチェック、簡単なリハーサルを行い夕食へ。

法要が終わり、ご住職に呼び込まれて私たちもスタンバイ。
約1時間15分の上演が始まりました。



18年前、阪神淡路大震災の時は和歌山県にも大きな揺れがありました。
当時のことを思い出すのは辛いこともあるかもしれませんが、
大切な現実を忘れない為に、そして失敗を繰り返さない為に
心を込めてお届けしました。


客席と近いということ、
そしてご高齢の方が多かったということもあり、
ホールでの語り方とまた違って、
本当に目の前にいる“あなた”に語りかける
そんな気持ちでお届けしました。


善福寺は、住宅地の一角に建つお寺です。
私たちが乗り入れた車も、何度か切り返しをしないと曲がる事ができない、
車同士のすれ違いが困難など、細い道を抜けた先にありました。

集まってくださった方々の状況からも、
ご高齢の方がたくさん住んでいらっしゃる地域というのもわかりました。

もしここで18年前のような地震が発生したら・・・。

私たちの言葉の中にもある、
「消防車1台が通れない道」
「救急車がたどり着けない場所」
「ここで火災が発生したら・・・」
など、

共感して頂ける所も多かったのではないでしょうか?


上演後は皆さんが

「よかったよ」
「頑張ってね」

とたくさんの声をかけてくださいました。


その中に、

「当時の事を思い出した」
「この辺りは大きな被害はなかったけれど、揺れは大きくビックリして起きた」
「忘れていた事を思い出しました」

そんな声も頂きました。


2時間程しか離れていない、同じ関西で起きた大災害も、
やはり時間と共に風化されていくのだということを感じ、
まただからこそ、伝えていかなければいけないという想いを感じました。


テーマ曲が入ったCDも、ほとんどの方が買ってくださいました。
神戸での上演がきっかけで実現した和歌山県での上演。

こうやった縁で広がっていくことに感謝です。

上演が終わる頃には、雨もすっかり上がっていました。
雨の中、たくさんの方々に足を運んで頂きありがとうございました。


そして私たちは、またその日の内に大阪へ。
帰宅した時には、次の日になっていました。


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